テレビCM 昭和の傑作をプレイバック

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コンセプト

 

子供たちはテレビCMが大好きです。

音楽や振付をすぐ覚えてしまい、歩き始めた子は、上手に真似をします。

 

1本のテレビCMができあがるまでには、さまざまな苦労や努力があり、

タレントギャラも含めて巨額の費用をかける場合もあります。

映画と同じで、言葉、音楽、映像、動作、背景、物語など、すべての視聴覚要素が、

たった15秒、30秒、60秒の短い秒数に、凝縮されています。

 

テレビCMは時代を映すサブカルチャーでもあります。

映画と異なるのは、商品やサービスを宣伝するコミュニケーションであることです。

とくに日本では、テレビCMをエモーショナルな感じで受けとめる国民性があって、

コマーシャルといえば、商品の特性をきちんと伝達することをまず

コンセプトと考える海外には、日本のコマーシャルは「何を言っているのか、

よくわからない」ということをときどき聞きます。

 

ここでは、幼児の発達におけるテレビの影響ということとは別に、

サブカルチャーの視聴覚メディアの幼児教育のテキストとして、

昭和40年代頃からの、いわば古典として残っているテレビCMを顧みてみましょう。

その時代なのは、親がまだ覚えている時代につながっているからです。

 

親心で子供に目がいく

 

子を持つ親にとって、子供は何よりのアテンションゲッターです。

自分の子供と同じ年頃の子供や、赤ちゃんや幼児が出てくるCMは思わず見てしまいます。

子供が主人公でヒットしたコマーシャルがたくさんあります。

紙の筒のフタをポンと開けて、マーブルチョコレートを頬張る上原ゆかり、

マーブル、マーブル、と繰り返す歌はいずみたく。(森永製菓、38年)

 

ふるさとの山で、「おかあ~さん」と叫ぶお味噌の味は、やっぱり母の味。

(ハナマルキ、43年)

ほっぺたのまるまると赤い、いろんな地方の子供たちが、ランドセルを背負って、

ニッコリするだけの、「小学一年生」のCMは、「ピッカピカの一年生」というコピーが

光っていました。(小学館、59年)

 

 

どうぶつも人の目をひく

 

dog0154-051.jpg子供は子供の目を引きますが、

どうぶつも子供の目にとまります。

 

いまでも薬屋さんの店頭にある

コルゲンコーワの緑のカエル、

「おめぇ、へそ、ねぇじゃねえか」

とコツンとたたく子供のCMは

主婦からのクレームで禁止になりました。(興和、39年)

 

靴をアヒルにはかせて歩かせた

クラリーノも、シンプルさが

受けました。(クラレ、42年)

 

タコの赤ちゃんから始まった、トリニトロンカラーテレビのCMは、

生き物の生態の不思議を美しくアップした、

図鑑の学研ならではの映像のサイエンスがありました。(ソニー、48年)

 

動物の容姿の不思議のひとつ、砂漠をヨコ飛びに走るエリマキトカゲ、

商品との関連性が薄く、ミラージュの売り上げには結びつかなかったといいます。

(三菱自動車、59年)

 

一方、ボクシングをしているおサルさんのゼンマイが切れて、動きが止まってしまうCMは、

命にも限界があることを連想させる点で保険にピッタリのアイデアデした。

(明治生命、50年)

 

 

ビッグタレントの起用

 

j0407443.jpg大物タレントを起用するのは

日本独特の風潮だと言われます。

苦みばしった、個性の強烈な、

チャールス・プロンソンの

「マンダム!」のCMは

ブレイクして、男性化粧品の

丹頂の社名まで変えてしまいました。(マンダム、46年)

 

とうとう引っ張り出したかと

誰もが感じた、アラン・ドロンが

ダーバンのCMに

(レナウン、49年)

 

 

オーソン・ウェルズがニッカG&Gに起用されましたが(ニッカ、51年)、

タレントがビッグすぎても、なかなか商品がついていけない場合もあります。

 

 

サントリー文化圏

 

テレビCMの世界で異彩を放つサントリーは、

サブカルチャーともいえる文化の世界を作ってきたように思います。

 

柳原良平と酒井睦雄と開高健が昭和33年頃からはじめた、

当時は寿屋のアンクル・トリスのシリーズは、テレビCMの草分け的存在です。

その後、雁の渡りを海辺の小枝で語る山口瞳の角瓶のCM(49年)、

アルチュール・ランボオをイメージした砂漠の旅芸人のロイヤルのCM(58年)、

ヘミングウェイやスタインベックから取り出した人間群像など、文芸的な味わいがあります。

 

開高健自身も釣り人になって、角瓶のコマーシャルに出ています。(55年)

 

 

ユーモアCM

 

CMのもうひとつの手法はユーモアです。

植木等が「何である、アイデアル」というだけの傘の広告(アイデアル、38年)、

「わたしも美しく写ります?」(樹木希林)「美しくない方もそれなりに」(岸本加世子)、

お正月が近づくと放映される「お正月を写そう、ポン!」シリーズ(富士フイルム、55年)、

もたいまさこの「タンスにゴン」(金鳥、61年)、

大橋巨泉が「すぎしびの......はっぱふみふみ」とむちゃくちゃをしゃべる

万年筆のCM(パイロット、44年)などが、お笑いの好きな日本人に受けました。

これも海外の人にはわからないでしょうね。

 

 

歌と踊りで一気に15秒

 

しかし、CM制作の真髄は、なんといっても覚えてもらうこと、

それには自然に覚えてしまうリズムがあることがいちばん、

CMが、そっくり歌や踊りというのが最もインパクトがあります。

 

作詩・作曲・タレントが三拍子揃えば、強烈なメッセージになります。

網合わせのニットのCMですが、軽快なテンポで、♪ワンサカワンサ、イエイエーイ! 

は小林亜星のデビュー作、長寿CMになりました。(レナウン、42年)

 

サミー・ディビス・ジュニアが、瓶を片手にスキャットする

ホワイトウイスキーのCM(サントリー、48年)、

高見山が持って踊ると白黒テレビが小さく見えるトランザムのCM(松下電器産業、52年)、湖畔でキャスリーン・バトルがソプラノで歌うだけの

スーパーニッカのCM(ニッカウイスキー、62年)などの傑作がありました。

 

ワンセンテンスで言い切るテレビCMの究極です。

最初のカットに接したら、ついついつられて、最後まで見てしまう、視聴覚の魅力です。

 

 

商業活動を幼児教育に

 

j0387594.jpgテレビCMは商品の宣伝です。

ものやサービスを売るための

広告にすぎないのですが、

生活者の感性や文化から

取り込もうとするところに、

サブカルチャー的な表現や技術が

持ち込まれているので、

ミュニケーションのテキストに

なります。

 

ギャロップがネットでお届けして

いる「CM式教育」のコンテンツも、

こうしたテレビCMの制作技術を

教育のメソッドにしています。

 

教育を「学ぶ」「教える」ということで考えると、とたんに難しくなりそうですが、

日常の中にあふれているテレビCMのように考えれば、楽しく面白くなります。

「CM式教育」も一度覗いてみてください。

 

海外の秀作CMは、商品のセールスポイントを極限まで追い詰めて「なるほど」

とうならせるものが多いのですが、日本では映像をストーリーとして

楽しむCMが多いようです。

 

 

学問のしおり

 

国語

 

「テレビCMをつくってみましょう」

 

CMに取り上げる商品は何がいいかな、とみんなに出してもらって、

黒板にいっぱい書いていき、3つくらいの商品にしぼって課題にします。

テレビCMを象徴するのは、コピーのひとこと、または掛け合いのセリフ、

まずはキャッチフレーズづくりからはじめてみましょう。

 

算数

 

「テレビCMは15秒ですか」

 

15秒、30秒、60秒がありますが、俳句と同じで、短く言える15秒で考えます。

60秒の長々としたコンテができても縮めて15秒にすればいいわけではなく、

15秒ができれば60秒は簡単に作れます。

 

考えたコメントが15秒に収まるかな、ストップウォッチではかってみましょう。

(実際には、ノンモンといってつなぎの部分があるので実質は13.5秒です。)

 

理科

 

「テレビCMをつくるためには、いろいろな技術が必要ですね」

 

まず、CMづくりはCMディレクターがすべてを取り仕切ります。

コンテがあり、出演者がいて、セリフやイラストがあり、撮影して、編集します。

最近はデジタルな処理や映像も使われます。

テレビCMの制作は幼児教育の格好の素材になります。

 

社会

 

「テレビCMは商業や経済の活動でもありますね」

 

商品の特徴を上手に表現することです。

人々がお金を出してものを買うことにつながるわけですから、

生活に大きな影響を与えるツールです。

 

ものやサービスを生活の中に取り入れて、生活を満足させていくこと、

生活を文化的に楽しむことにつながるものです。みなさんの生活のまわりや、

お父さんやお母さんのことも考えて、生活の情報としてCMづくりをしてみましょう。

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このページは、gallopが2008年7月 1日 10:58に書いたブログ記事です。

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