コンセプト
子供たちは幼稚園や小学校に入る前から、
お母さんにつれられてスーパーやお店に行って、
食品や生活用品が売られている売り場を見たり、買うことで流通を体験しています。
そこには、売る人と買う人があり、商品があり、お金が流通し、
サービスややりとりがあります。
ふだん、何気なく身近にある日常の商業空間を、
幼児教育の場として実現されているのが、いま注目を集めている、
職業体験型施設です。ここでは子供たちは、買うより、売りたい人になることで、
すぐれた体験学習の場になります。
「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」
ユニフォームを着たコンビニエンスストアの店員はみんな小学校の児童です。
小学生が本物のボールペンやカップラーメンやお菓子を売っています。
レジ打ちや売上の管理もすべて小学生たちが行っています。
ある店で、店長はさすがに、5年生ですが、
「お客さんが来てくれるのはうれしい。店全体に気を使うので、責任を感じます。」と
セリフだけ聞けば、いっぱしのコンビニの店長です。
ここは、京都市の教委が開店した「京都市スチューデントシティ・ファイナンス・パーク」。3階のスチューデント・シティが小学生向けで、
銀行や電器店、漬物屋さんのブースで小学生たちが売買を体験しています。
それぞれのブースは、京都銀行、松下電器、西陣織会館、井筒八橋本舗、
京都つけもの西利など、企業がバックアップしています。
2階は中学生向けで、電力、水道、信用金庫などのブースで、生活費を計算したり、
住宅ローンを組んだりしています。
指導しているのは、事前に研修を受けた市民ボランティアです。
いままで市立の小学校40校が訪れ、体験しました。
全国ではじめてのシティ
職業体験型施設のモデルは、東京都品川区の八潮南小学校にある
「スチューデントシティ」で、小学校5年生で運営されています。
学校の廊下に、「ミズノ」スポーツ・アドバイザー、時給500円、マネージャー、
会計士など求人票が張り出され、それぞれ好きな職業を選びます。
しかし、売れ残ったり、書類を書き間違えたり、配達を忘れたり、失敗もありますが、
みんなが協力し合わないと、ひとりではできない仕事を体験して、
子供たちに経済感覚や職業意識が身についていきます。
市民課の一環として品川区の教育委員会が管理していますが、
失敗や責任を通じて仕事の達成感も身についていきます。
キッザニア東京
ここまでくれば、連想される方もいるでしょう。
東京のららぽーと豊洲に2006年にできた「キッザニア東京」です。
平日は学校の社会見学、休日は親子連れ客で賑い、
初年度だけで80万人が訪れました。いま週末の予約は
5月先までいっぱいという盛況ぶりです。
さまざまな職業を体験してもらおうと、民間がつくった施設で、消防士、医者、
航空会社、宅急便、アイスクリーム店など、約50社の企業が出店しています。
1、2、3!と防護服を着たちびっこ消防士の訓練、野菜や果物でジュースをつくる
ちびっこのシェフ、制服を着て操縦するANAのパイロット。
親たちもこれがわが子かと見まがうばかりの、子供の職業人への変身ぶり。
お店の人たちはすべて2歳から15歳の子供たち、
それぞれのユニフォームを着て、好きな仕事の一部を体験しています。
キッゾ・マネーでいよいよ臨場感
学校の教育ばかりでなく、早いうちから社会に出て学ばせたいと考える
親たちの共感を得て、キッザニア東京は大盛況で、2号店も予定されています。
キッザニア東京は、子供たち自身がお店を切り盛りする
体験型テーマパークでもあります。
社会的な体験をさらに日常感覚に近づけているのは、「キッゾ」と呼ばれる、
ここだけで通用するお金。電子マネーや運転免許証まで発行してもらえる、
さながら、街の臨場感があります。子供も親も真剣になれるのは、
本物の体験ができるゾーニングと、充実した実践プログラムでしょう。
なにもここまで行かなくても、毎日毎日の生活場面やショッピングで、
お子様に、社会のこと、仕事のこと、経済のことを少し体験させるチャンスは
いくらでもあります。教えるのではなく、ものを買えばお釣りがあるのだ、
あのお店のおばさんはニコニコと愛想がいい、この野菜は新鮮で安いね、
とかの日常の会話や見聞も大切な幼児教育ですね。

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