ピンホール写真 偶然や内面を写すおもしろさ

| | コメント(0) | トラックバック(0)

コンセプト

 

j0405642.jpgいまや携帯電話で写真が

撮れる時代になりました。

 

誰でも、どこでも、

気が向いたら、携帯電話を

向けて、パチリ、

そのまま保存されて、あとから

きれいに出力されたり、

パソコンやCDに取りこまれたりします。

 

こんな時代になると、

生まれたときに既に

携帯電話もパソコンもある

いまの幼児たちは、

写真とはいったい何なのか、しかも印画紙ではなく、

0と1のデータに変換されているデジタル写真とは何なのか、理解できないでしょうね。

 

ひょっとして、お母さんたちもそうですか。そこで、風景や人物が写真に写るとは、

どういうことなのかを、原理からわかるひとつの方法として、ピンホール写真という、

すごく簡単な方法があることをちょっと覗いてください。

ピンホール写真は、レンズの代わりに小さな穴があるだけの箱です。

写真の原理そのものですが、いまの精密なカメラを超えた

奥深いこころの世界があるのです。

ピンホール写真は、写真の原理を学ぶ幼児教育であるとともに、

風景や被写体を通して自分のこころのやさしさやゆたかさまで写してくれる、

簡単な装置なのです。

 

 

雨戸の節穴がレンズの役割

 

板の雨戸のある部屋で寝起きをしたことのある人にしか経験はないかと思うのですが、田舎住まいの、雨戸があって、障子がある、という家屋で

運が良ければ見られた現象です。

雨戸にできた節穴から、外の庭の風景が、障子に逆さまに映っている風景を

見ることができたのです。

 

冬の朝など、庭の木々に雪が積もっていて、

雨戸を開ける前に昨夜雪が降ったのだとわかるほどです。

このかすかな自然のたくらみをそのまま利用したのがピンホール写真です。

科学の挿絵などに、レンズを通して、光は直進するので、

ものが逆さまに目の網膜に投影されている図を見かけますね。

あれがピンホール写真の原理です。

 

 

味わい深いピンホール写真

 

ピンホール写真はレンズの代わりに小さな穴を通して得た映像を

印画紙に直接拾う仕掛けで、空き箱や空き缶などで簡単にできます。

レンズのあるカメラに比べて、正確さや精度は及びませんし、

撮影には露出時間も1分とか3分とかかかり、

そのために動くものはぶれたりしますが、できあがると、

想像もしなかった味わいやおもしろさが出ます。

 

そのピンホールの写真を極めているエドワード・レビンソンという写真家がいます。

彼は、ピンホールのワークショップで、参加者が撮影した、

ボケやゆらぎや曖昧さを大切に評価し、写真を鑑賞する、

普通の場合は見向きもしない、そうした作品に、

こころがゆたかになるような視点を見出しています。

 

以下、彼の翻訳された著作から、ピンホール写真のスローな感動を拝借します。

(エドワード・レビンソン「エドさんのピンホール写真教室」

鶴田静(エドさんの夫人)訳、岩波書店、2007年4月)

 

 

偶然が写るおもしろさ

 

彼は、レンズのあるカメラに比べてのピンホール写真の欠点を、

ピンホール写真の長所に変えています。

プリントしてはじめてわかる偶然のいたずらを、彼はおもしろがり、

おもしろいと思う観点を導いてくれます。

「生徒たちの写真を見ていると、様々な象徴や言葉を発見する。

ピンホール写真に現われる象徴や言葉は、

初めには意図されていなかったものが多く、ユニークなものだ。」(P.133)

 

 

人の内面を写す

 

彼が見ているのは、撮影をしている間に感じた内面の世界なのです。

「ピンホール写真では、僕たちはふだん見ないような別の次元を見ることができる。

写真のイメージを見つけた時、ひとは外面と同時に内面も見ることができるのだ。」

(P.131)

 

「ピンホールのポートレートは、時にゆらぎもするけれど

手で触れるとこのできる世界に生きる、人間味のある本物の人間を写しだす。

人の本質を見せる。」(P.156~157)

 

 

写している間の自分をこころに写す

 

ピンホール写真は露出に時間がかかります。しかし、彼はそれがいいのだと言います。

 

「作品を制作している時に向き合っている、

そのテーマと共に過ごす時間の質と長さはとても貴重だ。

それは自分自身をその世界に没入させる。」(P.42)

 

自分を被写体に撮影しているとき、

「シャッターが開いてその場面を受け入れている間、

僕もまた木々の荘厳さや海の広大さを吸収している。」(P.157)

 

 

ピンホール写真機はカメラ店でも購入できます

 

エドさんの本にもピンホール写真機の作り方がのっていますが、

実はビックカメラなどのカメラ店でも購入できます。

ポラロイドのフイルムを使うのですぐ写真を見ることができるもの、

一眼レフにアダプターを取り付けるだけのもの、

ピンホールの針穴をつくる商品など、意外に多くの商品があり、

ファンも多いことが感じられます。

 

トラックバック(0)

このブログ記事を参照しているブログ一覧: ピンホール写真 偶然や内面を写すおもしろさ

このブログ記事に対するトラックバックURL: http://www.youji-net.jp/mt/mt-tb.cgi/67

コメントする

このブログ記事について

このページは、gallopが2008年5月16日 13:42に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「木を切る 木を使うことと森を育てることの両立」です。

次のブログ記事は「生活の習慣 早起き早寝は生活の基本」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

ウェブページ

Powered by Movable Type 4.1