コンセプト
秋は紅葉が鮮やかで、多くの観光客で賑う香嵐渓。
朱色の欄干の待月橋を渡って南に歩いて行くと、
いつの間にか三州足助屋敷の門に行き会います。
ここには、もう多くの現代人が忘れてしまったか、記憶の片隅にある、
農村の生活の原風景が手仕事とともに生き生きと残されています。
ここは農村のくらし、生活の道具の手作りを間近に体験できる、
幼児教育としてもライブなミュージアムです。この時代を直接、
間接的に知っている親の世代ならなおさら実感できます。
屋敷に生きている暮らしの原型
三州足助屋敷には、
生活に必要なものを自分たちでつくっていた山や農村の生活が原型に近い形で、
町役場の人たちの「生活」によって生き生きと伝承されています。
いわば、大正から昭和の時代の生活にタイムスリップした、
生きている博物館でもあります。
玄関を入ってすぐ左の大きな屋敷には、薪で炊くおクドさん(台所)があり、
囲炉裏を囲んだ畳の部屋があります。
黒光りした梁や天井は古い農家の厨そのものです。
ここで昔の技術を伝承しているのは町役場の人たちですが、
お昼になるとここに集まって来て、囲炉裏を囲んで、薪で炊かれたご飯と、
当地の赤味噌のお味噌汁でお昼の食事をする場所でもあります。
おクドさんは少し暗めですが、昔の人たちの視力は今より良かったのでしょうね。
この母屋には、縄、草履、蓑などをつくる藁細工や、トンカラ、トンカラと木綿糸を織る機織の座敷にもつながっていて見ることができます。
手作りの仕事がここに集結
三州足助屋敷には、自然とともに暮らす人々の
道具をつくるさまざまな手仕事の技術が生きています。
サワラを材料にした板で湯桶やお櫃をつくる桶屋、晒したこうぞを材料にした紙漉き、
その和紙を貼り合わせてつくる番傘、カシ、クヌギなど堅炭をつくる炭焼き、
赤く焼けた鉄を鋳込んで鍬をつくる鍛冶屋、
竹の産地である足助ならではの竹ひごで笊をつくる篭屋、
1年以上乾燥させたケヤキやトチの木でお盆を作る木地屋など、
生活に必要な道具はこのようにして作られたのだという基本を体験できます。
いまでは、多くのものが機械化されて生産されていますが、
お子様の知育として、手作りを目の当たりに体験することは何よりの幼児教育です。
親も感慨深く楽しめます。
記念のお土産を暮らしの中に
三州足助屋敷にもミュージアムショップがあって、
ここで作られた和紙を使った便箋や封筒などの用品、
ここで醸造された手作りのお味噌など、記念に買って持ち帰ることができます。
ここでは、手作りで自給自足の昔の生活を懐かしんでいただくばかりではなく、
ものづくりを誇る日本の生産技術の原点が、人の苦労や努力や智恵とともにある、
ということを実感してください。
この貴重な生活文化資源は、海外からも注目されています。
また、昔の技術が現代の文化や文明に活かされているところから、
アーティストたちやマスコミとの交流も多く、
スタッフの皆さんはゆたかな現代文化のネットワークの中で活動しています。
足助の町起し
足助の町は、町の行政や住民もいっしょになって、
地域の風土や文化や生活を活かした町づくりの活動を行っています。
そのうちのひとつが、足助町の福祉センターである「百年草」。
おじいさんたちが手作りでハムをつくる「ZiZi工房」、
おばあさんたちが手作りのパンを焼く「バーバラハウス」は、
朝の早い時間から地域の人たちによって売り切れてしまいます。
フランス料理のレストランや宿泊施設なども経営されています。
新しい特産品キャビア
このほど、足助産のチョウザメのキャビアがひそかに知られつつあり、
新鮮で濃厚な味がおいしく、愛・地球博の迎賓館でも提供されるほど評判を得ました。
チョウザメの稚魚からの飼育は難しく、民宿の「まる八」の深見さんは、
さらに高級品種を増やして、10年がかりで特産物に育てようとしています。
住民が総出の暮らしのイベント
町起しイベントにも伝統が継承され、
春はそれぞれのお店の店頭や庭先で大き目のお雛様が飾られる
「中馬の雛祭り」が行われ、秋には和紙を通して柔らかい灯が道路に添って並ぶ
「たんころりん」が行われて、ファンの観光客が見に来ます。
紅葉で賑う香嵐渓には、カタクリの群生地もあり、自然も豊かです。
観光と文化と美食を兼ねて、四季を問わず親子で楽しめる、心が潤う日本人の里です。

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