コンセプト
李白など、
中国の漢詩に抑揚をつけて
朗読する詩吟という
文芸があります。
マイナーな分野だと思われる
かもしれませんが、
漢文、詩、言葉、歴史、音楽など
さまざまな要素がかかわりあって、
幼児や子供たちに働きかける、
幼児教育としての
すぐれた特性を持っています。
木村岳風さんが統一された詩吟の体系
学校の漢文で誰でも習ったことのある中国の李白や杜甫は
西暦700年代の唐の時代の人で、すぐれた漢詩を残しています。
70年ほど前、木村岳風さんが30ほどの吟符を付けられ、
10線符に統一されてからいまの詩吟の形が成立しました。
木村先生の流れを汲む日本で最大の岳風流には10万人の詩吟愛好者がいます。
会社の経営者、主婦の方など、年輩者が多い中で、
小中学生などの子供たちの愛好者もいます。
詩吟は、腹式呼吸で二句三息で吟じるところから、有酸素呼吸で健康にも良いばかりか、
上手にストレスを発散することにも通じます。
とくに、小さい子供たちにはも美しく、強い精神の発育にも良い効果をもたらします。
福田岳華さん、「蛾眉山月歌」を吟ず
「秀峰岳風会」の福田岳華さんは、約30年前から会長を務められ、
多くの人たちに詩吟の楽しみをひろげて居られます。
2500年前の漢詩の世界は奥が深く、福田さんは李白の詩を、
李白の人生と重ね合わせて好まれ、中国で李白の命日に行われる
年に一度の中国馬鞍山国際詩吟節で、
馬鞍山の壇上で大好きな「蛾眉山月歌」を吟じた感動は忘れられないものになりました。
李白は都長安に出て国の役に立とうと決意しますが、
唐王朝に商人の子として相手にされず、長江を船で下り、
地方都市を巡回して文学の武者修業に旅立ちます。そのときの歌。
蛾眉山月半輪の秋、
影は平羊江水に入って流る
夜清渓を発して三峡に向かう
君を思えども見えず蘇州に下る
日本からは30人の一行が中国を訪ね、中国の人たちとも仲良くなり、民間レベルでの文化交流の役割を果たしているともいえます。
子供たちの詩吟
福田岳華さんのユーモアあふれる人柄と、人や歴史を思いやる深さは、
多くの会員の心を惹きつけています。
ひときわ心を寄せていることに、幼児教育や子供たちに教えている詩吟があります。
犬山市にある愛知北エフエム放送では、
小中学生の子供たちが詩吟をする番組を持っています。
子供たちの詩吟の声と抑揚には心を打たれます。とにかく美しい。
聞いていて心が洗われる気がします。2、3人でいっしょにうたう合吟もまたすばらしいです。
福田さんは、詩吟を歌う子供たちには、暴力沙汰やいじめなど起ころう筈はないし、
いままでも聞いたことがない、と幼児教育の側面を強調されています。
子供たちは李白も吟じますが、比較的意味もわかりやすい新体詩を吟じることがあります。
西行法師 なでしこ
かきわけて、折れば露こそこぼれけれ
あさじまじる なでしこの花
菅原道真 東風吹かば
東風吹かば にほひおこせよ 梅の花
主なしとて 春を忘るな
詩吟をやっている子供たちは、
詩吟の根底に流れている人生観の奥ゆかしさを感じるということもありますが、
声に出して吟じることで、人の前で発表する力がつき、自分に自信がつくようです。
いま、道徳でも、国語でも、音楽でもない分野で、
教える人も先生も学校にいない詩吟は、
幼児教育にゆたかな可能性を担っているといえます。

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