
出産して、赤ちゃんに母乳を
飲ませることから、
オムツを替えることまで、
出産後の母親の苦労は
大変です。
そんなとき、夫はたいがい
やさしく気遣いしてくれるものですが、やはり、苦労を共にしている
時間や空間が少なく、
育児を母親に任せきりなので、
イザというとき、なすすべもなく
おろおろ、
妻との子育てに
ギャップが生じます。
困ったときに、
「お前は母親だろう」で逃げられるとパニックです。
団塊ジュニアの、妻や子供への
やさしさや善意が妻には
イライラやブチ切れになることは少なくないようで、
出産前後から子育てへの
かかわりのなさ、子育ての知識や経験のなさ、子育てを母親に押し着せる自分逃れ、
仕事中心の自分の時間など、いろいろ理由があると思いますが、
夫としてよりも、父親としてよりも、男らしい自分のあり方をもっと極めていくことで、
母親の二人目ではなく、母親が真似できないキャラクターとして、
子育てをしていけば良いのではないでしょうか。
そんなイメージでパパの幼児教育をひとつふたつ、考えてみました。
「破れ太鼓」
といわれて、親父とは、「地震、雷、火事、親父」
ガミガミと叱るばかりの怖い存在という像がかつてはありました。
戦後、少しは変わってきたのですが、その親父像が活き活きと
痛快に描かれている
傑作映画があります。
昭和25年に公開された松竹映画「破れ太鼓」は、ひと時代前の
かみなり親父を、
古めかしい戦前のシチュエーションに置き、戦後の明るい解放感で描いたホームドラマで、
子供たちが何かするごとに、親父がガミガミ怒鳴りたてますが、子供たちはそのたびに、
「♪敗れ太鼓が鳴り響く」と明るく軽快に歌いながら逃げまくります。
怖い親父なのに、距離を上手に置いて子供たちのアイデンティティが
育っていった良き時代でした。
なんと抒情派の木下恵介が監督、時代劇でしかほとんどお目にかからない
阪東妻三郎が親父というコメディです。
その後、木下恵介は、次々と人々の心をゆさぶる名作を作っていきました。
山田太一さんの子育て論
その木下恵介のもとで助監督を
務めて1965年に独立した、
「ふぞろいの林檎たち」
「異人たちの夏」などテレビドラマの名作を生み出した脚本家の
山田太一さんは、親子の関係は報道されるほど悪くなっていない、
親は、子供がいまどこに居て、
どんな友だちと何をしているかと、子供に気を使いすぎ、
親は子供の教育に責任があると管理しすぎ、といういまの一般的な風潮に痛烈です。
幼児の頃は別だが、子供は放っておくというメリットもある、
あまり介入しなくてもいい、よその子はどうであれ、うちの子だけは認めるという
グロテスクだが、そういう親のやり方でいい、と言っています。
昔は反発したり、離れたりすることによって、子供は自己形成できた(「破れ太鼓」ですね)が、
いまでは親が子供に影響を与えすぎている。
悲惨な境遇の中で父に反発しながら親父の背中を見て自己を培ってきた人ならではの、
山田太一さんの言葉です。(「百楽」2008年2月号)
子煩悩のジョニー・デップ
学芸会並みのバレバレの扮装で
ジョニー・デップが、いかにも
「パイレーツオブカリビアン」。
コメディともアクションともつかないエンタテイメントの第3弾
「パイレーツオブカリビアン/
ワールドエンド」は2007年の
興業成績110億円を稼ぎました。
日本びいきでサインサービスでもピカイチで知られた
ジョニー・デップが来日したときは
2000人のファンが成田空港に
集まりました。
映画では波乱万丈のデップは、
大の子煩悩、「子供が好き」とはばからない明るく陽気な発言は、
ちょっと日本人には見られない
豪快な子育てのアイデンティティがあります。
「パイレーツオブカリビアン」も子供にすすめられて出たと言います。
子供が中心の家庭だからこそ、「父親は船長」と言い切る子育てファーザー。
イギリス発のスタイリッシュ父親情報誌「FQ」(FQ JAPANがあります)の
セレブなDADの主役でもあります。
父性欠乏症の子供たち
なって、子供にやさしく友だち 感覚、団塊ジュニアたちが父親に
父親はもっと強くあるべき、
という時代を反映して、
父性欠乏症の子供たちが
ふえているといいます。
とくに女の子が中学生くらいに
なると、性的なめざめとともに、
父親を疎んじ、
距離を置くケースがありますが、
これはときに母親が娘との
共同戦線を張って、
父親の悪口を言ったり、
けなしたりすることで、
子供が父親蔑視の影響を受ける場合があります。
父親は仕事などで留守にしがちで子供との接触が少ない
不利な立場であることは否めません。
子供には両親が健在である限り、母からと父からと両方の親の恵みを
バランス良く受けて育つことが必要です。
女の子はどうしても母親との関係が強くなりがちなので、子供が居るところで、
お母さんがお父さんを尊重したり、持ち上げたりする場面があれば、
子供も「母とは違う父」の親としての存在感を得ます。
子供にとって、子育てパパになるかどうかは、
母親の気持や言動にかかわっている場合が少なくありません。

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