太陽はカツオ、イワシ、昆布など海の幸、梅、大根、柿、椎茸などの山の幸を、
乾燥させることでも、人々の食生活に大きな恵みを与えています。
そのままでも、また加工してでも
食べられる食材ですが、
太陽に干されることで、
旨みや栄養分が引き出され、
保存性も増すという、
太陽は不思議な力を
持っています。
太陽や風、その土地の風土や気候に、人々の智恵や手間隙がていねいに重ねられて、
おいしい乾物が生まれるのです。
太陽と食文化の関係を幼児教育を通して、お台所や食卓の生活を教室にして、
ウォーキングで見かける農村や漁村の風物詩を舞台にして、
太陽の素晴らしさと、乾物のおいしさを体験してください。
カンナのような削り器で、鰹節を削る
うどんや焼きそばやたこ焼きに、パックから取り出して、振りかける花かつおで、
子供たちはそれがかつおであることを知りますが、昔は多くの家庭で、
鰹節を鰹節削り器で毎朝削って、お味噌汁のダシに使っていました。
花かつおは、燻製して乾燥させた段階の荒節を削ったものですが、
さらにそれを天日で干して、カビを繁殖させ、
さらに日数をかけてその過程を4、5回繰り返して、
カビが付かなくなるくらい硬くなったものが鰹節です。
鰹節は豊富に含まれているイノシン酸によって旨みが引き出されます。
鰹の血身の部分が赤い色になっていて、折れたりすると美しいルビーのような
透明感があります。鰹節になじみの低い現代人は、
鰹節にカビが生えたようになると嫌って使わなくなったりしますが、もったいない勘違いです。江戸時代から伝わる、太陽とカビの作用が繰り返されてできた鰹節を、
鰹節削り器で毎朝削って味噌汁や煮物のダシとして使う、
いまでは少なくなったこの習慣、本当はこれに勝るスローフードは世界にもありません。
煮干は骨にも血液にも良い健康食品
ご家庭では煮干もダシに使っていられるでしょう。煮干はカタクチイワシを主に、
マイワシ、キビナゴ、トビウオ(あご)などの、背の青い小魚を煮て干したもので、
高温で煮ることで、不飽和脂肪酸をとばしてタンパク質が凝固されます。
煮干には豊富なカルシウムが含まれ、カルシウムの吸収を良くするビタミンDも
豊富に含まれているため、お子様の歯や骨を丈夫にするとともに、
骨粗しょう症の予防にも適しています。
鉄分やDHA(ドコサヘキサエン酸)に、造血作用や血液をサラサラにする作用があるため、
頭の働きを良くし、高血圧や動脈硬化を防ぐ役割があります。
煮干は申し分のない健康食品です。
ダシとしてばかりではなく、炙ったりして食べてください。
店頭では、背の曲がった銀色に青みがかったものをお選びください。
上手に乾燥しているほど旨みや香りが戻る干し椎茸
椎茸も焼肉といっしょに炭火で
炙ったり、お鍋料理や天ぷらや
煮物など、さまざまな食べ方で
好まれています。
多くは手軽なので生椎茸が
使われているようですが、
干し椎茸には、
太陽でビタミンDの含有量も増え、旨みや香りが凝縮されています。
手間隙かけてじっくり干された
干し椎茸なので、手間隙かけて、水に浸してじっくり戻します。
乾燥した椎茸は、
糖質のトレハロースという
高い保水力を持つ成分を含んでいるため、ふっくらと戻ります。
いまどこにでも売られていますが、
ちんちくりんに干からびたような
干し椎茸が黄色いセロファンに
入れて
八百屋さんに売られていた
記憶のある方もいらっしゃる
でしょう。
上手に乾燥すればするほど
おいしさも戻るのです。
じっくり戻して、砂糖や醤油を
入れてでゆっくり煮た椎茸には、
甘味がじわっと滲み出るような
おふくろの味がありました。
おいしい椎茸は焚き込みご飯や中華料理に細かく切って
入れられていても
きちんとした味があります。
冬の農村の風物詩に太陽の恵みがある
冬の農村や漁村では、
太陽の恵みを受けて干されている干し柿や干し大根の、
食の風物詩に出会います。
山を歩いていて実っている柿の木を見つけると秋を実感します。
柿は11月になると収穫され、
皮をむかれて、縒った紐に
つないで軒下に簾のように
吊るされている山村の風景は
圧巻です。
たっぷりと太陽を浴び、
寒風に晒されておいしい
干し柿になります。
外側が硬く、中味がとろりと柔らかいのが良質です。
ビタミンAやB、ミネラル成分やβカロチン、ポリフェノールなど、
美容や健康に良い栄養分がたっぷり含まれています。
ちょうど同じ頃、収穫された大根が細切りにして、干し大根が作られます。
完熟した大根を丁寧に水洗いして、手で切られて太陽と空っ風に晒されて作られます。
機械で切るよりも、手で切る、ここでも手間隙をかける方がおいしい大根になるようで、
人間の智恵や努力は不思議ですね。切干大根は、
食物繊維やカルシウムが豊富に含まれています。ゆっくり水で戻して、
ダシばかりでなく、煮物やいろいろな料理に合いますね。真っ白なものより、
少し黄色っぽく見える方が糖分があっておいしいのです。
それにしても、時間がたつにつれて損なわれていく生モノですが、
逆に太陽や風を受けて時間や手間隙をかけるほど、
おいしさや栄養分が出てくる不思議に、つくづく太陽の恵みを感じます。
太陽の力と時間のありがたさを手間隙かけてお料理して味わってください。

コメントする