鉄道博物館や鉄カフェで鉄道の魅力に触れたら、ローカル線に乗って、
慌しい都会の時間を外れて、ゆっくり途中下車の旅をしてみませんか。
のりものの幼児教育は、地域に触れ、風景を楽しみ、人々と出会う、心のオアシスです。
ご家族でゆっくり流れる時間を味わってください。
人気の鉄道博物館
集結した実物車両36両、展示品58万点、2007年10月、さいたま市に
JR東日本の20周年事業として、鉄道博物館がオープンしました。
鉄道オタクしか行かなかった神田須田町に70年以上も前に開館した交通博物館の
大胆なリニューアルで、鉄道マニアそこのけに、押し寄せた大勢の家族連れで満員、
お客もジャーナリストも、「鉄道って、こんなに人気なの?」と思わせる盛況振りです。
その秘訣は、マニアにも一般の人にも、共通してウケる演出にあります。
館内のぴかぴかに整備された車両の名前の「クハ181形式」「ナハネ722形式」の呼称が「おお、鉄道だ」という、鉄道マニアならずとも、
時代を瞬間に甦らせてくれる感慨をもたらしてくれます。
1930年代を再現した東京駅のプラットホームを舞台に、欧州留学に旅立つ姉と、
見送る妹というエピソードで体験できる、
テーマパークの楽しさを取り入れた体験型のゾーニングがあります。
ヒストリーゾーンでは、明治時代の蒸気機関車や日本初の新幹線など、
36両の実物を見ることができます。
天井型ユニットクーラー、コロ軸受けなどの情報は、マニア向けでもあり、
一般の人にもメカニズムを感じさせる情報の形式です。
鉄道を擬似体験する
屋外では、1周230メートルの線路を、武蔵野線205系、高崎線E231系などの
ミニ運転列車を操縦できます。
ゲームオタクの子供たちにも、この重量感には手応えがあります。
文字通りゲーム感覚の運転シミュレータでは、山手線205系など、
精密に再現された運転席で、走行画面とともに振動も体験できます。
もちろん子供たちの予約で満杯になります。
鉄道模型は1/80のHOゲージが一般的ですが、模型鉄道ジオラマでは、
田園や橋梁を周回して走行する精密なプログラムで、
ミニチュアながら鉄道のロマンたっぷりです。
実物や部品の模型を通じて、列車が動く仕組みや、
ブレーキなどの仕組みなどの鉄道の技術を知るラーニングゾーンは、
子供たちの科学する心を引き出してくれます。
なかなかふだんではお目にかかれなかった、御料車もあります。
明治天皇専用の初代御料車など7両が展示されています。
鉄道博物館が成功したのは、歴史と実物を知的に学ぶテーマパークと
同じコンセプトでしょう。もちろん、駅弁も楽しみのひとつ、車両の座席で味わえます。
これから増える気配の鉄カフェ
鉄道博物館の人気といっしょの時代感覚で人気なのが、鉄カフェといわれる、
鉄道模型ジオラマ付きのカフェ&バー。関西からブームがひろがりました。
テラ・ステーションが2005年にオープンした大阪・天王寺の1号店は休日は2時間待ち。
有料ですが、ボトルなみにトレインもキープできて、お客さまが運転します。
各地のショッピングセンターなどに続々と多店舗展開が予定されているようです。
ネット上でなんでもできる時代ですが、やはりモノとしてさわり、
質感を実感できる醍醐味はあります。
ローカル線で途中下車
新幹線や飛行機や高速道路といった時間短縮が取柄の時代にあっても、
人々はどこかで日常から取り外された、ゆっくり、ゆっくり歩むスローライフを
求めているのでしょう。ローカル線の旅には根強い人気があります。
民家の裏庭を木々すれすれにくぐって行く江ノ電、SLが走る数少ない名所の
大井川鉄道(静岡)、わたらせ渓谷鉄道(群馬、栃木)などが人気です。
江ノ電はテレビの「俺たちの朝」や映画「稲村ジェーン」などでストーリーもダブって、
いっそう人気が高まりました。
鎌倉、極楽寺、七里ガ浜、鎌倉高校前と、周辺の風景を楽しみながら、
途中下車の気分をかきたててくれます。そして江ノ島の海に出会うシチュエーションは
絶好の心の旅。鉄子の旅の矢野直美さんが、
ゆっくり旅の楽しさをメッセージしてくれています。
「知らないまちを運ばれていく感覚。のんびりと土地の空気のにおいを感じてみる。
ローカル線は地域の生活列車なんですね。
私はひとり旅が多いんですが、行く先々で交流があって、一人だと感じないほどですよ。」
(朝日新聞、2007年10月30日)

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