子供たちは昆虫と接することで、自然の不思議や神秘、
命のありようなど、
多くのことを学びます。
都市化された身の回りに自然が少なくなって、昆虫とのかかわりも薄くなりがちですが、
昆虫は恐竜のいた時代から、
植物と共生している生き物。
自然の驚き、命の尊さ、
社会のあり方などについて
学ぶことができる、
すぐれた幼児教育です。
単に、虫として退けないで、小さな、
まるでロボットのような素晴らしいメカニズムをもった生き物にしばらく付き添ってみましょう。
そこには人間の営みと同じような、すぐれた能力があり、高度な暮らしがあり、
自然科学があります。
カブトムシを飼育する
昆虫が子供の心を育てる
いちばんいい方法は、
昆虫が成長する姿をいっしょに
体験していくことです。
いつの時代でも
ヒーローはカブトムシ。
百貨店で売っていると
思ってもらわないで、
林の中にいるのだということを
教えてください。
ふだんカブトムシが樹液を吸っている雑木林を知っている
必要がありますが、
その木の下の葉の腐葉土や朽木や農家の堆肥にカブトムシの卵が産みつけられています。
また、木屑の山を掘ってみると幼虫が見つかることもあります。
カブトムシを育ててみましょう。
なかなか見つけにくいですが、
カブトムシを番(つがい)で
ガラスケースの中で飼育する
ことから始めてもいいです。
やがて土中に産む
卵を育てるのです。
産卵の場になる土に腐葉土を
混ぜて厚めに敷き、
少し湿らせておきます。
メスが土中に潜り込んで
卵を産むと、まるまると太った
ウジのような幼虫になります。
土中を覗くガラスなどをあてがって蛹になる様子を観察できます。
蛹の頃からオスはツノができ、1ヶ月ほどで脱皮して成虫になります。
お子様と話をしながら育てて、立派なカブトムシになるのを見守りましょう。
メタモルフォーゼ~変身する
昆虫の不思議は幼虫と
成虫の姿が似ても似つかぬ形が多いことです。
その典型は蝶やトンボです。
キャベツの葉にいる青虫は
モンシロチョウに、
柑橘系の葉や枝にいるイモムシはアゲハチョウになります。
マンションの部屋でもイモムシ
からアゲハチョウに変身する
チャンスを観察することが
できます。
カラタチやミカン、サンショウなどの葉に貼りつけられた卵を枝ごと切り取って、
水に挿して育てます。産まれた幼虫はゴミのようにグロテスクな形をしていますが、
脱皮を繰り返して緑色のイモムシになります。
自分で出した糸で体を枝に結び付けて固定すると蛹になり、
春を迎えると背中が割れてまだ胴体よりも小さい皺くちゃの羽根をつけたアゲハチョウが
生まれます。
縮れた羽根に養分が行き渡ると、 美しいアゲハチョウにメタモルフォーゼ=変身します。 蝶は飛べるようになったら、 もと居た辺りに帰してあげます。
セミでもトンボでも、敵に出会わないようにまだ朝早く、 羽化して木の葉や枝につかまって、
養分が行き渡るのを、じっと待っている姿は、
息を呑むほど命の荘厳さを感じます。
言葉では伝えられない命の誕生を子供たちに
見てほしいですね。
2000キロの海を渡る蝶
夏の終り頃、知多半島にアサギマダラというさわやかな蝶が見られますが、
この蝶はなぜか、冬になる前に、群をなして南方に渡り、
山地や高原など気温の低いところで過ごします。アサギマダラの旅のルートを
調査するために、捕獲した日付や場所を、
羽根の燐粉のない部分に油性ペンでマーキングする活動を地元の小学生や団体が
国際的な協力を得て行っています。
日本からは、秋に約2000キロの台湾に南下する旅のルートがわかりつつありますが、
春や初夏に南方から日本へ北上するルートはほとんどわかっていません。
小さな蝶が風に乗ってか、大海原を渡っていく昆虫の不思議にどんな秘密があるのでしょう。
ホタルが住める環境づくり
欠かせないホタル。 ホタルの光は、 オスが飛びまわりながら、日本の夏の風物詩に
木の上にいるメスに20センチ
くらい近づき点滅してお互いの
信号を送り合うプロポーズ。
ゲンジボタルの点滅は
東日本では4秒に1回、
西日本では2秒に1回、
ヘイケボタルはさらに
細かくなります。
ホタルは自然の環境のバロメーター、
幼稚園や小中学校でホタルを育てて池や川に放す活動が行われています。
中部大学ではホタルのエサである巻貝のカワニナの生態を研究して
ホタルが住める環境づくりに取り組んでいて、
2006年に50匹近いホタルの光が見られましたが、アライグマに荒らされたり、
グラウンドの照明に影響されてかホタルは見られなくなりました。
その後、700匹近いホタルの幼虫を放流して
ホタルが住める自然環境づくりに取り組んでいます。

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