森が地球のバロメーターであるように、
海もそうです。
しかし、海が地球の命を司っている仕組みは、まだ人類が到達したり、観察したりしていない
部分が多く、森以上にわかっていません。
ただ、はっきりしているのは、
森と同じように海も病んでいます。
そのことは身近にあるサンゴが証明しています。
海は人間が生きる命の水、
そこには、お魚や貝や海藻やペンギンや
白熊などの動物もいっぱいいるけれど、
海の健康も病気も象徴している、
じっと動かないけど、不思議な生き物がいます。
サンゴは地球の命に変えて語ることができる
壮大な海のロマンの幼児教育の題材です。
サンゴ礁は魚たちの住宅地です
南の海や海外に行って、
お母さんやお父さんのうち、
スキューバダイビングを経験した方もいらっしゃるでしょう。
ゴーグルと足ヒレをつけて、
海にもぐって魚を間近に見て
いっしょに泳いで体験する
青い海の世界のすばらしさに、
地球が美しいことを実感されたと思います。
しかし、その海は、紛れもなく、
少しずつ死に向かっています。
それは地球の命ともつながっています。人間がなんとか救わない限り。
キーワードはサンゴです。
サンゴは地球の海の健康を診断するバロメーターでもあります。
サンゴは海のキノコのように、扇をさまざまにひろげた形で成長している、
イソギンチャクに近い刺胞動物の仲間ですが、
硬い骨格の内側に軟らかいポリプという組織があって、
そこに住む褐虫藻という単細胞の藻類と共生しています。
動物でありながらからだの中に植物があって、植物が太陽の光で光合成した
二酸化炭素を酸素に変えて栄養を得ている、動物と植物が半々の生き物です。
そのサンゴが海の中でなぜ必要かというと、
世界の海の面積のわずか1%に過ぎないサンゴ礁の周りに、
海に住む魚の1/4の種類が住んでいるのです。
サンゴは海の魚の住宅地でもあるわけです。
オーストラリアのグレートバリアリーフは、生物による地球上で最大の構造物群であり、
海の生き物の大都市であるといえます。
海水の温度が上がると白化して死んでいくサンゴ
魚の棲みかであるサンゴ礁が最近どんどん減少していることは、
魚の生態系に大きな打撃を与えていることにつながります。
サンゴの減少の原因は、地球温暖化の影響を受けている、
海中の温度の上昇や紫外線です。海中の平均温度がほんの1、2度上昇するだけで、
サンゴは白化するといわれるくらい繊細です。
温度自体は褐虫藻の活動を活発にするのですが、それがサンゴにはストレスになって、
褐虫藻を放出してしまい、共生相手を失って白化し、1年以内に死んでしまいます。
一方、サンゴの体内から放り出された褐虫藻はシッポを出して動物プランクトンとして
海中に浮遊して行きます。
また、サンゴには、ぶくぶくと白いこぶができると、産卵能力が落ち、
サンゴに白い帯が走って急速に死んでいくホワイトシンドロームという現象も
世界的に広がっています。
地球温暖化以外にもさまざまな原因
日本では、石垣島、沖縄、奄美などの広範囲に、10年ほど前から
サンゴの白化現象が観察されています。
南太平洋、インド洋、東南アジアなど、世界的な規模でもサンゴの白化現象がみられます。
海水温度の上昇に輪をかけて、サンゴを食べるオニヒトデの大発生があります。
鹿児島県瀬戸内町の大島海峡ではオニヒトデを駆除したり、買い取ったりしていますが、
サンゴ礁がなくなって、ブダイやハタなどの漁獲も減っています。
ダイバーの観光も原因になっています。
沖縄の慶良間諸島の海には年間40万人もの観光客が訪れます。
ダイバーが触ったり、足ヒレを引っ掛けたりすると、サンゴはストレスで傷ついていきます。
そのほかにも、マグロの養殖、赤土や農薬、生活排水の流入、除草剤など、
さまざまな理由で、サンゴの減少の原因になっています。
ちょうど森林の樹木が伐採されると、台風や地震や雨期の山崩れや地すべり、
渇水の原因になるように、荒波にもまれながらしっかりと根付いているサンゴは
自然の防波堤のような役割を果たしています。
2004年の22万人以上が亡くなったインド洋の大津波で、
ヒッカドゥワというリゾート地の海岸で2000人以上が犠牲になりましたが、
そこにはサンゴ礁はなく、一方、サンゴが津波を吸収してくれたために、
1人の犠牲者も出なかった地区もあります。
地球というジグゾ―の、たった1種類のピースが外れていくと、
そこにかかわっている多くのピースもぼろぼろと欠け始めます。
サンゴは地球の命の危機を警告しているようです。

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