コンセプト
♪ めだかの学校は川の中
そっとのぞいて見てごらん
そっとのぞいて見てごらん
みんなでおゆうぎしているよ
いま幼児の親である皆様の親、おじいさんやおばあさんが幼かった頃、田舎の小川にはメダカが泳いでいました。
田園や里山の川や田圃には、ほかにホタル、ザリガニ、コブナ、タガメなど、いろいろな小動物が住んでいて、幼児の遊び相手でした。
メダカひとつとっても、地球の汚染を象徴できる環境の幼児教育になります。
メダカの文化
メダカは、文部省の唱歌「春の小川」(高野辰之助作詞 岡野貞作曲、1912年)や「めだかの学校」(NHK「歌のおけいこ」で放送、1951年)など多くの童謡でも親しまれています。
メダカと日本人の関わりは深く、江戸時代の鈴木春信の浮世絵にも女性や幼児がメダカを掬って遊んでいる情景が見られます。メダカの小さくて可愛い姿は、日本人にとってこころの風物詩でもありました。
水質汚染をメダカが警告
高度成長による開発が始まった頃から、除草剤や農薬の使用や大気汚染からくる酸性雨などで、水質や土壌の汚染がすすんで、いままでどこにでもいたメダカは、ついに1999年絶滅危惧種に指定され、「レッドデータブック」に載っています。小さなメダカが、人間が住む土地の水の汚染を警告してくれているのです。
水質の浄化を願って
愛知県に「水質パトロール隊」という啓発事業があって、生活排水で汚れが激しい川のある13市町村の小中学生を対象に、川の水質測定などのレポートを募って、優秀な工夫や努力を表彰しています。
小学校では「メダカを戻せる川にしたい」と、水質を調べ、水を浄化する水草のイカダをつくったりして、メダカを飼っています。幼稚園はこの対象にはなっていませんが、メダカを飼って、メダカが生きられる川を取り戻そうとする活動は、身近な生き物と親しむ情操の幼児教育でもあり、自然や地球のことを考える環境の幼児教育にもなります。
バイオ研究の最前線で活躍するメダカ
メダカは4センチくらいの小さい体ですが、ヒトと先天性の腎臓病、脂肪肝などヒトと共通する病気の関連遺伝子など、ヒトと似た遺伝子が8割以上占めており、生物による実験にはもってこいなのです。その上、全遺伝子情報(ゲノム)が解読されています。皮膚や筋肉が透けて見える改良品種のメダカは、蛍光物質をつけた粒子を体内に取り込むと、解剖しなくても、生きたまま内臓の変化を観察できます。ハイテク産業で使われはじめた1億分の1と小さい、まだ安全性が危惧されている、ナノ粒子が生物にどのように取り込まれるかを簡単に調べることができます。また、川などの環境汚染の鋭敏なセンサーとしてもメダカが活躍しています。ヒトがもたらせた汚染で絶滅しようとしているメダカを、またヒトが汚染の修復に使うのも、メダカにとっては迷惑なことでもありますね。
東山動物園のメダカ館
名古屋の東山動物園には世界のメダカ館があって、いろいろな種類のメダカを見ることができます。2016年度の完成をめざして東山動植物園のリニューアル工事が始まっていますが、そのときには、里山のゾーンでメダカが生まれ変わることでしょう。どこの小川や田圃でも見られた可愛いメダカを動物園の水槽の中に見に行かなければならないというのも悲しいですね。
全日本メダカ釣り大会
トンボの棲息で知られる高知県の四万十市のトンボ自然公園では全日本メダカ釣り大会が開かれます。人が跨げるほどの昔はどこにでもあったせせらぎで、池や小川で繁殖させたメダカを、口にかからないほど大きな釣り針で赤虫を餌に釣ります。釣ったメダカはリリースします。
レイチェル・カーソンの警告
農薬による環境破壊をもう45年も前から警告していた人がいます。殺虫剤は虫を殺すどころかより強い虫が生まれるとして、天敵などの自然のサイクルによる環境を提唱する「沈黙の春」のレイチェル・カーソンです。彼女は、環境汚染とともに、人間が自然をコントロールできる奢りを啓発したのです。人間が自然をコントロールするのではなく、人間自体の行動をこそコントロールすべきだと訴えてきました。2007年は生誕100年にあたります。

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